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「母が施設に入ったので実家を売りたい」
近年、多治見市でもこのようなご相談が増えています。
親が高齢になり、一人暮らしが難しくなると介護施設への入所を検討するご家庭も少なくありません。
しかし、施設へ入所した後に実家が空き家となり、さらに認知症が進行してしまうと、不動産売却そのものが難しくなる場合があります。
「もっと早く相談しておけば良かった」
実際にそう話されるご家族も少なくありません。
不動産売買契約は法律上の契約行為です。
売主本人が契約内容を理解し、自らの意思で売却する必要があります。
認知症で問題になるケース
・売却金額を理解できない
・契約内容を説明しても理解できない
・署名の意味を判断できない
・本人確認が難しい
たとえ子どもであっても、本人名義の不動産を勝手に売却することはできません。
そのため、認知症が進行してから相談に来られるケースでは、売却までに大きな時間と手続きが必要になることがあります。
認知症などで判断能力が低下した場合に利用されるのが成年後見制度です。
家庭裁判所へ申立てを行い、後見人が本人に代わって財産管理を行います。
成年後見制度の注意点
・家庭裁判所への申立てが必要
・手続き完了まで数か月かかる場合がある
・司法書士や弁護士が後見人になる場合がある
・継続的な費用負担が発生することもある
・家族の判断だけで自由に売却できるわけではない
「施設費用を払うためにすぐ売りたい」
と思っても、すぐに売却できないケースがあるため注意が必要です。
施設へ入所すると毎月一定の費用が発生します。
主な費用例
・介護付き有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・サービス付き高齢者向け住宅
・特別養護老人ホーム
・医療費や生活費
施設によっては月額10万円~20万円以上かかるケースもあります。
そのため、空き家になった実家を売却して介護費用へ充てたいという相談は非常に増えています。
相談内容
多治見市笠原町にある築48年の実家についてのご相談でした。
お父様は数年前に他界され、お母様が一人暮らしを続けていました。
しかし認知症が進行し、転倒も増えたため老人ホームへ入所することになりました。
長男様は名古屋市在住、長女様は東京在住で、誰も実家へ戻る予定はありません。
施設費用は月額約16万円。
年金だけでは不足するため、実家を売却して介護費用へ充てたいというご相談でした。
問題点
・実家名義がお母様のままだった
・認知症が進行し契約内容の理解が困難だった
・空き家になって2年以上経過していた
・庭木が隣地へ越境していた
・雨漏りが発生していた
・固定資産税を毎年支払い続けていた
・長男様が毎月名古屋から片道1時間以上かけて管理に来ていた
「草刈りだけで休日が終わる」
という状態が続いていました。
解決方法
成年後見制度について司法書士と連携してご説明しました。
後見制度利用後の売却手続きや介護費用の見通しを整理し、今後の相続対策も含めて検討。
また建物内には家具や仏壇、生活用品が大量に残っていましたが、処分前提ではなく現況のまま売却できる方法をご提案しました。
結果として管理負担が解消され、今後の介護費用に対する不安も軽減することができました。
将来的に相続が発生した場合、一定の条件を満たせば「被相続人居住用財産の3,000万円特別控除」が利用できる可能性があります。
この制度を利用できるかどうかで税負担が大きく変わる場合があります。
売却前に税理士や不動産会社へ相談することをおすすめします。
認知症になってからでは、実家売却の選択肢が大きく制限される場合があります。
・親が施設へ入所した
・認知症の診断を受けた
・空き家になる予定がある
・介護費用が心配
・将来の相続が不安
このような場合は、早めに専門家へ相談することで選択肢を広げることができます。
多治見市で空き家や相続、介護施設入所後の実家についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
滝田 謙介(空家パートナー代表)
宅地建物取引士:岐阜県知事免許(1)第5381号
(公社)岐阜県宅地建物取引協会 東濃支部
30,000件以上の空き家問題を解決してきた「空き家買取のプロ」。 他社で断られた困難物件の再生にも積極的に取り組んでいます。