営業時間/9:00〜18:00
「この家は子どもに残してあげたい」
実家を所有している方からこうしたお話を伺うことがあります。
親としては自分が長年暮らしてきた家を子どもに残すことは財産を残すことと同じように感じるかもしれません。
しかし、子どもがその家に住む予定がないのであれば話は少し変わります。
家を相続した瞬間から子どもには固定資産税や維持管理、草刈り、修繕、近隣への対応などさまざまな負担が発生するからです。
しかも、今後の人口減少や空き家の増加を考えると、「10年後に売ればいい」という判断が、今より難しい売却につながる可能性もあります。
長期的に減少傾向にあります。
市が公表している令和2年国勢調査では、市の人口は47,774人でした。平成27年国勢調査と比較すると、5年間で3,299人、率にして6.46%減少しています。
市も、人口減少を重要な地域課題として位置付けています。
ここで考えておきたいこと
人口が減るということは、住宅を購入する人の母数も少なくなるということ。
もちろん、人口が減ったから不動産がまったく売れなくなるわけではありません。
ただし、買い手が少なくなる地域で築年数がさらに進んだ古い家を売る場合、現在よりかなり安値または売れない可能性は考えておかなければなりません。
「今は需要もあるし売れるから、急がなくてもいいだろう」とは限りません。
人口減少以外にも不動産は建物が古くなるほど修繕箇所が増え、庭木や外壁などの管理状態も売却価格に影響します。
これは恵那市だけの話ではありません。
岐阜県が公表している令和5年住宅・土地統計調査では、県内の空き家数は約14万8千戸、空き家率は16.1%となっています。
平成25年には約13万3千戸だった空き家が、平成30年には約14万戸、令和5年には約14万8千戸まで増加しています。
「売る家」と「買いたい人」のバランスを考える
空き家が増えるということは、将来的に売りに出される住宅も増える可能性があります。
一方で、データでは減少傾向にあったとおり購入希望者が同じように増えるとは限りません。
その結果、同じ地域で似たような中古住宅が複数売りに出されれば買い手側が物件を選べる状況になり、古い家や管理状態の悪い家から売却が難しくなることも考えられます。
だからこそ「子どもに残す」とだけ考えるのではなく、いま売ることと将来売ることのメリットデメリットを一度確認しておくことが大切です。
相続後に考えられる負担
・固定資産税の支払い
・庭木や草の管理
・屋根や外壁の修繕
・水道や電気などの管理
・火災保険などの維持費
・台風や大雨の後の現地確認
・近隣からの苦情や相談への対応
・残置物の処分
・相続登記などの手続き
・将来的に売却するときの費用
特に問題になりやすいのが、子どもが実家から離れて暮らしているケースです。
遠方に住んでいる場合、簡単に様子を見に帰ってくることはなかなか難しい。
業者へ草刈りを依頼すれば費用がかかり、台風の後に瓦や外壁が壊れていれば修繕の手配も必要になります。
家を「残す」ことは、子どもにとって「財産を受け取る」だけではなく、「管理する仕事を引き受ける」ことにもなります。
相談内容
恵那市にあるご実家について、70代のご夫婦からご相談をいただいたケースです。
ご夫婦には県外で生活しているお子様がいましたがお子様はすでに家庭を持っており、仕事や生活の拠点を恵那市へ戻す予定はありませんでした。
それでもご夫婦は「自分たちが亡くなった後、家だけでも子どもに残してあげたい」と考えていました。
ところが話を具体的にしてみるとお子様自身は「実家をもらっても管理できない。売ることになると思う」と考えていたことが分かりました。
問題点
・子どもは恵那市に戻る予定がない
・実家は築年数が経過しており、今後修繕費が発生する可能性がある
・庭木や草の管理を子どもに任せるのは現実的ではない
・相続した後に売却する場合、子ども自身が不動産会社を探し、片付けや現地確認まで行う必要がある
・10年後、20年後に今より家が古くなった状態で売ることになる
・相続した時点では「財産」だったはずの家が、子どもにとって「処分しなければならないもの」になる可能性がある
解決方法
そこで、ご夫婦とお子様を交えて「残すこと」と「今売ること」の両方を整理しました。
お子様が実際に住む予定がないのであれば相続させることが必ずしも負担軽減にはならないことを確認。
現在の建物の状態で売却した場合と、10年程度保有してから売却する場合で、管理費や修繕費、建物の劣化などを考えながら検討しました。
最終的には「子どもに家を残す」のではなく、「子どもが将来困らない形にしておく」という考え方に変わり、売却を前向きに検討することになりました。
これは空き家のご相談でよく出てくる疑問です。
もちろん将来的に周辺の状況が変わり、不動産価格が上昇する物件もあります。
そのため「10年後に必ず価格が下がる」と断言することもできません。
ただし、建物については時間が経過するほど築年数が増えます。
10年保有すれば、それだけ発生する可能性があるもの
・屋根や外壁の劣化
・給湯器や水回り設備の故障
・庭木の成長
・草刈りや剪定費用
・台風や大雨による修繕
・固定資産税などの保有コスト
・残置物の増加
・相続による権利関係の複雑化
先述したとおり、空き家は増加しています。
そのため、10年後に「自分の家だけを売る」のではなく「周辺にも売りに出されている家がある」という状況になる可能性も考えておく必要があります。
「10年後に売る」という選択肢が悪いのではありません。ただ、今売る場合と10年後に売る場合で何が変わるのかを比較せず、先送りだけすることが危険なのです。
恵那市では空き家バンク制度も設けられています。
空き家や遊休土地を有効活用し、恵那市への移住・定住を希望する方へ物件を紹介する制度です。
「売却するなら空き家バンクを利用する」という方法も選択肢の一つです。
一方で、空き家バンクに登録すれば必ず売れるわけではありません。
購入希望者が見つかるまでの間は、所有者が建物や敷地を管理する必要があります。
「すぐに手放したい」「遠方に住んでいて管理できない」「家財道具を片付けられない」という方の場合は、空き家バンクだけに絞らず、買取を含めて複数の方法を比較することが大切です。
空き家の売却方法には、一般の購入希望者を探す仲介だけではありません。
空き家買取という方法もあります。
買取を検討しやすいケース
・子どもが住む予定がない
・相続後の負担を子どもに残したくない
・建物が古く一般の売却が難しそう
・家財道具が大量に残っている
・草木が伸びている
・遠方に住んでいて管理できない
・修繕や解体にお金をかけたくない
・売却まで何年も待ちたくない
買取の場合、一般的な仲介とは違い購入希望者が現れるまで待つ必要がありません。
残置物や建物の状態を含めて現況のまま査定のできます。
しかし、「子どもに相続させてから処分してもらう」のか「親が元気なうちに整理しておく」のかという視点で考えると、買取査定を一度受けておく意味はあります。
実家をどうするかという話は元気なうちは後回しになりがちです。
相続が発生してから初めて「この家どうする?」と家族で話し合うと、判断することが一気に増えてしまいます。
最低限、確認しておきたいこと
・子どもは将来この家に住む予定があるか
・住まない場合、売却するのか
・家の維持管理を誰がするのか
・固定資産税を誰が負担するのか
・家財道具はどうするのか
・親が亡くなった後、誰が売却手続きをするのか
「子どもに残したい」という気持ちは大切です。
家そのものを残すことだけではなく、子どもが将来困らない状態を残すことも考えてみてください。
実家を子どもに残すことは一見すると親から子への大切な財産の贈り物に思えます。
しかし、子どもが住む予定のない家であれば相続後に固定資産税や管理費、草刈り、修繕、残置物処分などの負担を背負わせることになりかねません。
さらに恵那市では人口減少が続いており岐阜県全体でも空き家が増加しています。
「10年後に子どもが売ればいい」と先送りするよりも、今の段階で売却できる可能性や価格を確認しておくことが重要です。
こんな方は一度、無料査定をご利用ください
・子どもが恵那市に戻る予定がない
・相続したら子どもが困りそうだと感じている
・実家を10年以上使っていない
・家の老朽化が気になっている
・庭や家財道具の管理ができない
・今売った場合の価格を知りたい
・仲介と買取のどちらが向いているか知りたい
「売ると決めたわけではないけれど、今いくらくらいになるのか知りたい」というご相談でも構いません。
親が元気なうちに実家の価値を知り、子どもと選択肢を話し合っておく。
将来子どもが突然「相続したけれど、どうすればいいのか分からない」という状況になることを防ぎやすくなります。
恵那市の実家をこの先どうするか迷っている方は、まずは無料査定で現在の価値を確認してみてはいかがでしょうか。
滝田 謙介(空家パートナー代表)
宅地建物取引士:岐阜県知事免許(1)第5381号
(公社)岐阜県宅地建物取引協会 東濃支部
30,000件以上の空き家問題を解決してきた「空き家買取のプロ」。 他社で断られた困難物件の再生にも積極的に取り組んでいます。