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「実家を売りたいけれど、家の中に荷物が大量に残っている」
空き家の売却を考えている方から、このような相談を受けることがあります。
家具、衣類、食器、家電、布団、仏壇など、長年暮らしていた家ほど荷物は多くなります。遠方に住んでいる場合は、何度も通って片付けるだけでも大きな負担です。
空き家を売るためにはすべての荷物を処分して家を空にしなければならないのでしょうか。
荷物が残っているからといって先にすべて処分しなければ売却できないとは限りません。片付けに時間とお金をかける前に、まず現在の家の状態と売却方法を確認することが大切です。
犬山市が行った空家等実態調査では、空き家の使用状況について家具や荷物が残ったままになっているケースが多く確認されています。
調査では「仏壇や家具など個人利用のための倉庫・物置として使用している」が39.4%、「特に使用していない・多少の荷物などがあるが使用していない」が37.3%でした。
犬山市の空き家の使用状況
39.4%:仏壇や家具など個人利用のための倉庫・物置として使用
37.3%:特に使用していない・多少の荷物などがあるが使用していない
「誰も住んでいないけれど、家具や荷物はそのまま」という状態が多いです。
相続した実家の場合、親が住んでいたときの家具や衣類、食器、家電など生活用品が一式残っていることもあります。
出典:犬山市「空家等実態調査結果」
「休みの日に少しずつ片付ければいい」と思っていても、家一軒分となると簡単ではありません。
衣類や食器などの小さな荷物だけなら自分で処分できますが、タンス、ベッド、食器棚、冷蔵庫、洗濯機、布団などが増えると、搬出するだけでもかなりの作業になります。
犬山市で自分で処分する場合の目安
粗大ごみの戸別収集:1点1,000円
都市美化センターへの持ち込み:10kgにつき200円
1回の持ち込み:300kgまで
粗大ごみの予約:収集日の1か月前から7日前まで
これはあくまで「処分するごみ」にかかる市の処理費用です。
実際には、荷物を分別する時間、家の中から運び出す作業、車両への積み込み、処分場までの運搬なども必要になります。
大型家具が多い家や、2階から荷物を運び出す家、物置や倉庫まで荷物がある家では、自分だけで片付けるのが難しくなることもあります。
「処分費」だけで考えないことが大切です
家財整理を業者に依頼する場合は、荷物の量や搬出条件によって費用が大きく変わります。数万円で済むケースもあれば、家一軒分の荷物が多い場合は数十万円になることもあります。
作業も荷物が少なければ短時間で終わりますが、家全体に荷物が残っている場合は1日で終わらず、複数日かかることもあります。
「売るために全部片付けなきゃ」と考える前に、片付けにいくらかかりそうなのか、そもそも片付ける必要があるのかを確認することが重要です。
無料で利用できる資源回収もあります
犬山市都市美化センター敷地内の「わん丸エコステーション」では、新聞、雑誌、段ボール、布類、紙パック、小型家電などを無料で回収しています。荷物の中に資源として出せる物があれば、処分費用を抑えられる可能性があります。
ただし、実家一軒分の荷物を自分で分別して運び出すとなると、費用だけでなく時間と労力も必要です。
特に犬山市の郊外にある実家を相続し、現在は名古屋市など市外に住んでいる場合、何度も往復すること自体が負担になることがあります。
「空き家・空き地バンク」があり、空き家を売りたい人と、購入したい人をつなぐ仕組みがあります。
さらに「あきや活用支援事業補助金」もあります。空き家バンクに2年以上登録された空き家を購入する人に対して、購入費用の2分の1を上限として、基本補助100万円に加算額が設けられています。
犬山市「あきや活用支援事業補助金」のポイント
基本補助:100万円
上限:空き家購入費用の2分の1
対象となる空き家:空き家バンクに2年以上掲載されていること
加算:若年世帯、居住誘導区域などの条件により加算あり
この制度は「家財を片付けるための補助金」ではありません。基本的には、条件を満たした空き家を購入する側を対象とした制度です。
よって「補助金があるから家財整理をしてから売ろう」と単純に考えるのではなく、自分の家が空き家バンクの対象になるのか、実際にどのような売却方法が合っているのかを確認する必要があります。
空き家を売るときに迷うのが、「荷物を全部処分してから売るのか、それとも荷物が残った状態で相談するのか」という問題です。
荷物が残った状態でも売却できるのであれば、先に荷物処分に時間とお金をかける必要がなくなる場合があります。
片付ける前に確認したいこと
家財を処分するのにいくらかかるのか
自分で片付けるなら何日くらい必要なのか
片付けたことで売却価格がどの程度変わる可能性があるのか
荷物を残したまま売却できる方法があるのか
この4つを確認してから片付けるだけでも、無駄な出費を防ぎやすくなります。
「荷物をどうにかしてから売ろう」と考えているうちに、空き家を何年も放置してしまうことがあります。
人が住まなくなると、雨漏りや水回りの不具合などにも気づきにくくなります。庭木が伸びたり、害虫が発生したりすることもあります。
建物の傷みが進めば、売却前に修繕や解体を検討しなければならなくなることもあります。
市も、適切な管理がされていない空き家について、防災、衛生、景観などへの影響を課題として挙げています。
荷物が片付いていないことと、空き家を放置することは別の問題です。「片付けが終わらないから売却の相談もできない」と考える必要はありません。
荷物が残った空き家も、まずはご相談ください
家財道具が大量に残っている。
遠方に住んでいて片付けに行けない。
古い家なので、片付け費用をかけるのが不安。
空き家バンクに出すべきか分からない。
片付ける前に売却価格を知りたい。
空家パートナーでは空き家について、荷物が残った状態でも査定のご相談を受けています。
「片付けてから相談」ではなく、まず現在の状態でいくらくらいになるのかを確認する。そのうえで、片付けるのか、そのまま売却するのかを決めても遅くありません。
空き家の売却で大切なのは、家の中をきれいにすることだけではありません。土地や建物の状態、立地、道路、周辺環境などを確認したうえで、片付けにかける費用と売却方法を考えることが大切です。
【参考資料】犬山市「犬山市空家等対策計画」「令和6年度空家等実態調査結果」「犬山市あきや活用支援事業補助金」「ごみの分別と出し方」「都市美化センターの案内」
滝田 謙介(空家パートナー代表)
宅地建物取引士:岐阜県知事免許(1)第5381号
(公社)岐阜県宅地建物取引協会 東濃支部
30,000件以上の空き家問題を解決してきた「空き家買取のプロ」。他社で断られた困難物件の再生にも積極的に取り組んでいます。