実家を「相続放棄」すれば安心?知っておきたい管理責任の落とし穴
「実家はいらないから相続放棄しました」
最近、このような決断をされる方がとても増えています。
固定資産税もかかるし、遠方で管理もできない。老朽化も進んでいる。だから家庭裁判所で手続きをして、これで終わり。
そう思っている方が多いのですが、実はここには大きな誤解があります。
1. 相続放棄 = すぐに“完全に無関係”ではない
民法上、相続放棄をしても「次の管理者が決まるまで」は、一定の管理責任が残る場合があります。
・屋根が飛びそう、壁が傾いている
・雑草が伸び放題で近隣に迷惑をかけている
・不法投棄の温床になっている
こうした状態を放置して第三者に損害が出た場合、「放棄したから関係ない」とは簡単には言えないケースがあるのです。
2. 全員が放棄しても「国のもの」には自動でならない
子ども全員が放棄し、相続人がいなくなった空き家。この場合、家庭裁判所で「相続財産管理人」が選任されるまで、実質的な管理は宙に浮くことになります。
管理人の申立てには、数十万円単位の費用(予納金)がかかることもあります。「国が引き取ってくれる」と思われがちですが、自動的にそうなるわけではありません。
3. 固定資産税の通知が届く理由
相続放棄が正式に受理されれば、原則として納税義務はなくなります。
しかし、市町村側の名義変更が整理されるまで通知が届き続けることがあり、「放棄したのに請求が来た!」と混乱する原因になっています。
本当に問題になるのは、倒壊や火災、第三者への損害が起きたときです。特に「現に占有していた人(鍵を管理していた、住んでいた等)」は、完全に責任がゼロになるとは限りません。
相続放棄は“魔法のリセットボタン”ではありません
「いらない」と言っても、不動産という現物はそこに残り続けます。放棄を決める前に、以下の3点を確認しておくことが大切です。
- 放棄する前に不動産の現状(劣化や境界)を確認する
- 全員が放棄したあとの流れを理解しておく
- 放棄しても「即終了」ではないと知っておく
法律の手続きだけでなく、その後の現実的な管理まで見て判断することが、親にとっても子にとっても真の安心につながります。知らなかった、で困る人を一人でも減らしたい。「放棄する前」でも構いません。まずは一度、今の状況をご相談ください。
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