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「篠木町なら人気のエリアだし、家を壊して土地にすれば売れるだろう」
今回ご相談いただいた所有者様も、最初はそのように考えていました。
ヨロッカも近く、小学校・中学校も近い立地。土地として考えれば需要がありそうな場所です。
しかし結果的には仲介で売却しませんでした。
建物は築45年。室内には荷物が残り、敷地には草木が生い茂っています。
プラス傾斜地、クラックの入った擁壁もありました。
そこで今回は、「建物を解体して完全な更地にした場合」と「現状のまま買取してもらう場合」を比較。
費用を計算してみたところ、意外にも現状のまま買取したほうが、最終的に手元に残る金額が多いという結果になりました。
篠木町では実際に土地の取引も行われており、2025年の公表取引を集計したデータでは、土地取引の平均は約36万円/坪となっています。
つい「建物を解体して土地だけにすれば、買いたい人が見つかるのでは?」と考えてしまいますが、
土地として売り出すためには、更地にするための費用も考えなければなりません。
土地として売るのであれば、当然このままではいきません。
まず室内の荷物を処分し、庭の草木を伐採・伐根し、建物を解体して、更地にする必要があります。
今回の敷地は傾斜地になっており、既存の擁壁には大きくクラックが入っていました。
建物だけを解体して終わりではなく、擁壁の状態についても確認する必要があります。
もし擁壁を入れ替えることになれば、既存擁壁の撤去、新しい擁壁の施工、そのための掘削や残土処分など、追加の工事が必要になる可能性があります。
擁壁工事は「見た目」だけでは判断できません
擁壁の高さや長さ、既存構造、傾斜地の状況、地盤、道路との関係などによって必要な工事が変わります。
さらに建物の解体や庭木の伐根を行えば、土を掘る作業や残土の処分が発生することもあります。
「建物を壊せば終わり」と考えていると、後から想定外の費用が出てくる可能性があります。
今回想定した「更地にするまで」の費用
荷物処分:約50万円
草木の伐採・伐根:約80万円
建物解体:約220万円
擁壁の撤去・新設等:約300万円程度(概算)
合計:約650万円程度
もちろん実際の金額は現地の状況や工事内容によって変わりますが
少なくとも「更地にすれば土地価格で高く売れる」という売却価格だけの比較では、わからない数字があります。
土地を売る場合、例えば1,500万円で売れる可能性があるとしても、今回のようにそこから解体や伐採、荷物処分、擁壁工事(約650万)仲介手数料等(約56万)などに数百万円かかれば、手残りは800万程度になります。
さらに売却までの期間が長くなれば、固定資産税や保険、管理費用などもかかります。
今回のような物件では、「いくらで売れるか」ではなく「最終的にいくら残るか」で比較することが重要です。
売却方法を比較するときの考え方
更地で売れる価格
− 荷物処分費
− 伐採・伐根費
− 建物解体費
− 擁壁などの工事費
− その他、仲介手数料・維持費用
= 最終的な手取り
計算をしてみると、「更地のほうが高く売れるから、更地にする」という考え方が必ずしも正解ではないことが分かります。
今回、所有者様は「完全な更地にしてから売る方法」と「現状のまま買取してもらう方法」を比較しました。
最終的な手取りを計算した結果、現状のまま買取したほうが手元に残る金額が多いという結果になりました。
お客様からいただいた言葉
「買取は安くて、更地のほうが高く売れると思っていた。いろいろ見積り取ってよかったです。」
不動産売却では、「買取=安い」「更地=高く売れる」と単純に考えてしまいがちです。
本当に比較するべきなのは売却価格だけではありません。
売るためにいくらかかるのか、その結果いくら手元に残るのか。
ここまで計算して初めて自分に合った売却方法が見えてきます。
空き家を所有していると「とりあえず解体して土地にしよう」と思ってしまうときがあります。
特に春日井市篠木町のように土地需要が見込めるエリアなら、なおさらです。
ただ、今回の事例のように、
更地にする前に確認したいこと
荷物処分にいくらかかるか
庭木の伐採・伐根にいくらかかるか
建物解体にいくらかかるか
擁壁の状態に問題がないか
擁壁工事が必要ならいくらかかるか
最終的に更地で売った場合、いくら手元に残るか
解体してしまった後では「やっぱり現状のまま売ればよかった」と思っても元には戻せません。
空家パートナーでは、荷物が残っている、草木が生い茂っている、建物が老朽化している、擁壁に不安があるといった物件も、そのまま買取のご相談が可能です。
「更地にしたほうがいいのか、それとも今のまま売ったほうがいいのか分からない」という段階でも構いません。
解体や伐採・伐根を始める前に、一度買取価格と比較してみてください。
滝田 謙介(空家パートナー代表)
宅地建物取引士:岐阜県知事免許(1)第5381号
(公社)岐阜県宅地建物取引協会 東濃支部
30,000件以上の空き家問題を解決してきた「空き家買取のプロ」。他社で断られた困難物件の再生にも積極的に取り組んでいます。