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「施設に入った母の家を売ることになったのですが、司法書士から今日は本人確認が難しいと言われました。」
実際にこのようなご相談は少なくありません。
ご家族としては、
・もう売却できないのではないか
・成年後見人が必要になるのではないか
・契約そのものが白紙になるのではないか
と不安になると思います。
しかし実際には、一度本人確認ができなかったからといって、その時点で不動産売却が不可能になるわけではありません。
まずは司法書士が何を確認しているのかを知ることが大切です。
不動産の売買では、所有者本人が売却に同意していることを確認する必要があります。
そのため司法書士は面談を行い、本人確認と意思確認を行います。
確認される主な内容
・氏名や生年月日を理解しているか
・自分が所有者であることを理解しているか
・売却する不動産を把握しているか
・売却代金が入ることを理解しているか
・誰かに無理やり契約させられていないか
つまり司法書士は単に本人かどうかを確認しているだけではありません。
「自分の意思で契約しているか」を確認する重要な役割があります。
これは非常によくある誤解です。
結論から言うと、
要介護認定を受けていても不動産売却は可能です。
実際には、
・要介護1
・要介護2
・要介護3
・要介護4
・要介護5
どの認定区分であっても、本人の意思確認ができれば売却できる可能性があります。
反対に、介護認定を受けていなくても認知症が進行しており意思確認ができなければ契約できない場合があります。
重要なのは介護レベルではなく、その時点での判断能力です。
相談内容
80代のお母様が介護施設へ入所。 ご実家は空き家となり、毎月の固定資産税や管理費が負担になっていました。 長男様が売却を進めることになり契約まで進みましたが、司法書士との面談当日にお母様の体調が優れず、質問にほとんど答えられない状態でした。
問題点
・売買契約日が近づいていた
・施設側も本人の体調に波があると説明
・家族は認知症が進行したと思い込み売却を諦めかけていた
・解体費用や管理費の負担が続いていた
解決方法
司法書士が日程を変更し再度施設を訪問。 午前中の体調が安定している時間帯に面談を実施したところ、ご本人は不動産の所在地や売却理由をしっかり説明できました。 意思確認が取れたため、その後問題なく所有権移転登記まで完了しました。
司法書士がその日の面談で意思確認できなかった場合でも、再面談で確認できれば手続きを進められるケースがあります。
・別の日に再度面談する
・時間帯を変更する
・施設で再面談する
・主治医や施設職員の意見を参考にする
そのため、一度断られたからといって慌てる必要はありません。
ただし、何度面談しても意思確認が難しい場合は成年後見制度の利用が必要になる場合があります。
施設に入所している親の家を売却する際、司法書士による本人確認は避けて通れません。
しかし、一度本人確認ができなかったからといって売却できなくなるわけではありません。
・介護認定と売却可否は別問題
・意思確認できれば売却できる可能性は高い
・体調によって再面談になることもある
・早めの準備が重要
施設入所後の実家の管理や売却でお困りの場合は、できるだけ早い段階で専門家へ相談することをおすすめします。
滝田 謙介(空家パートナー代表)
宅地建物取引士:岐阜県知事免許(1)第5381号
(公社)岐阜県宅地建物取引協会 東濃支部
30,000件以上の空き家問題を解決してきた「空き家買取のプロ」。 他社で断られた困難物件の再生にも積極的に取り組んでいます。