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「火災保険はそのまま継続しているから大丈夫です」
多治見市の実家が空き家になった方から、こういう言葉を聞くことがあります。でも少し確認させてください。その保険、本当に有効ですか?
毎月保険料をきちんと払い続けていても、いざ火災が起きたときに「保険金が支払われない」という事態が実際に起きています。空き家になったことを保険会社に伝えていなければ、あなたの保険も同じ状況にある可能性があります。
日本の主要な火災保険商品の多くは、「居住用建物」を補償対象としています。これは各社の約款に明記されていますが、加入時に細かく説明されないことも多く、知らない方がほとんどです。
・ネット系火災保険の多く(楽天損保・ソニー損保など)
・JA共済
・こくみん共済coop
・都道府県民共済の火災共済
・損保ジャパン(公式サイトで「空き家は引受対象外」と明記)
これらは「居住用」が前提のため、人が住まなくなった時点で補償対象から外れます。
出典:NPO法人空家・空地管理センター、各保険会社公式サイト
問題は、保険会社は住民票などをチェックしているわけではないため、空き家になったことを知らないまま保険契約が「継続」されてしまうことです。つまり保険料を払い続けているのに、実際には補償されない状態が続いているというケースが多数発生しています。
「どうせ誰も住んでいないから、火事になることはない」と思っていませんか。実はこれも誤解です。
消防庁データで見る空き家火災のリスク
消防庁「令和6年(1〜12月)における火災の状況(確定値)」によると、2024年の総出火件数は37,141件。放火・放火の疑いは全出火原因の中で依然として上位を占めており(疑い含む構成比約4〜5%)、1日あたり約101件の火災が発生しています。
特に空き家が放火のターゲットになりやすい理由は以下の通りです:
・人がいないため侵入・放火しやすい
・火災の発見が遅れ、延焼しやすい
・近隣に燃え移るリスクが高い
・消防や近隣が気づいた時点では手遅れになることが多い
仮に保険が無効の状態で空き家が全焼した場合、所有者が負担することになる費用は以下の通りです:
・建物の解体・撤去費用:木造30〜40坪で100〜300万円以上
・燃え残り・廃材の処分費:数十万円
・近隣への延焼による損害賠償:失火法により故意・重過失がなければ賠償責任は生じませんが、管理不備が認定された場合は別途問題になることがある
・火災調査・後処理費用:数万〜数十万円
これらが全額自己負担になります。保険が有効であれば補償されるはずのものが、告知義務違反や空き家条件不適合で支払い拒否される事態は実際に起きています。
火災保険の契約時・更新時には、建物の使用状況について正確に告知する義務があります(保険法第4条・第28条)。「居住用」として契約した建物が空き家になったにもかかわらず、それを保険会社に通知しなかった場合、以下の結果を招くことがあります。
① 保険金の支払い拒否
告知義務違反として、保険金の全部または一部が支払われないことがあります。
② 保険契約の解除
保険会社が告知義務違反を理由に契約を遡及して解除することができます。この場合、それまで払い続けた保険料も戻ってきません。
③ 重大な告知義務違反の場合
悪意または重大な過失があると判断された場合は、保険金の支払い拒否に加え、さかのぼって契約解除される可能性があります。
「知らなかった」「特に変更はないと思っていた」という理由は、残念ながら告知義務違反の免責にはなりません。空き家になった時点で保険会社への通知が必要です。
空き家専用・空き家対応の火災保険は存在しますが、条件と費用について正確に把握しておく必要があります。
空き家で加入できる保険の特徴
・一般的な居住用火災保険より保険料が高い(リスクが高いため)
・「一時的な空き家」(転勤・別荘・建替中など)と「長期の空き家」では条件が異なる
・一般的な長期空き家を引き受ける保険商品は少なく、専門の保険代理店への相談が必要
・NPO法人空家・空地管理センターと日新火災が開発した空き家専用保険が2024年1月より提供開始されている
年間保険料の目安:建物評価額・構造・築年数によるが、木造・築40年の場合年間3〜8万円程度が一般的な相場
① 現在の保険の約款を確認する
「空き家・無人建物を補償対象とするか」という条項を確認してください。わからなければ保険会社のカスタマーセンターに直接聞くのが確実です。
② 保険会社に「建物が現在空き家になっている」と伝える
通知することで契約が解除される可能性はありますが、無効のまま保険料を払い続けるより、現実を把握した上で対処する方が合理的です。
③ 空き家を手放すことも選択肢に入れる
保険問題も含めて、空き家を持ち続けることのコストとリスクを一度整理してみることをおすすめします。空き家を手放せば、保険の心配も、草刈りの心配も、一度で終わりになります。
今すぐできることは「保険会社に現状を正直に伝える」ことだけです。それだけで、少なくとも「無効の保険に毎月お金を払い続ける」という損は防げます。
多治見市の空き家、保険の不安も含めてご相談ください
多治見市全域対応。「保険が気になっている」「そろそろ手放すことを考えている」という方のご相談を歓迎します。売ると決めていない段階でも構いません。現状を整理するところから一緒に始めます。
滝田 謙介(空家パートナー代表)
宅地建物取引士:岐阜県知事免許(1)第5381号
(公社)岐阜県宅地建物取引協会 東濃支部
30,000件以上の空き家問題を解決してきた「空き家買取のプロ」。他社で断られた困難物件の再生にも積極的に取り組んでいます。