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「実家のことは自分でなんとかするつもりなので、子供には心配かけたくなくて。元気なうちにどうにかしようとは思っているんですが」
恵那市でよく聞く言葉です。「自分でやる」「元気なうちに」という気持ちはとても大切です。問題は、「元気なうちに」という時間がいつまで続くかを、誰も正確には知らないということです。
今日は、介護に関する厚生労働省のデータと、「動けなくなった後に空き家はどうなるか」という現実をお伝えします。
厚生労働省「国民生活基礎調査(2022年)」によると、介護が必要になった主な原因のトップ5は以下の通りです。
介護が必要になった主な原因(厚生労働省 2022年)
1位:認知症(18.1%)
2位:脳血管疾患・脳卒中(16.1%)
3位:骨折・転倒(13.0%)
4位:高齢による衰弱(12.8%)
5位:関節疾患(10.2%)
出典:厚生労働省「2022年国民生活基礎調査」
2位の脳卒中、3位の骨折・転倒は、「前日まで元気だったのに突然」という形で発生することがあります。脳卒中は前触れなく発症し、骨折・転倒も突発的な出来事です。「まだ大丈夫」と思っていた翌日に、突然入院・施設入居という事態になることは珍しくありません。
・男性:72.14歳
・女性:74.79歳
(出典:内閣府「令和4年版高齢社会白書」)
平均的に言えば、70代前半〜半ばには「何らかの形で動けなくなるリスク」が現実のものとなります。「まだ60代だから大丈夫」という方も、10年後には統計的なリスクゾーンに入ります。
「子供には知らせていない」「自分でやるつもりだった」という状態で本人が入院・施設入居・死亡した場合、残された家族が直面する現実を整理します。
親が持っていた不動産を子供が把握していない場合、相続後にまず「どんな財産があるか」を調べるところから始まります。
不動産の場合、固定資産税の通知書・登記簿謄本・名寄帳(市区町村で取得できる固定資産の一覧)などを使って調査しますが、これだけで数週間〜1ヶ月かかることがあります。恵那市のような山間部の物件は、現地確認のための移動だけでも半日以上かかります。
子供が把握しているかどうかに関わらず、以下の期限は相続開始日から刻み始まります:
・相続税の申告・納付期限:相続開始から10ヶ月(相続税法第27条)
・取得費加算の特例:相続開始から3年10ヶ月(租税特別措置法第39条)
・空き家の3,000万円特別控除:相続から3年を経過する年の12月31日(租税特別措置法第35条第3項)
・相続登記の義務化:相続を知った日から3年以内(不動産登記法第76条の2)
「知らなかった」という理由では期限は延長されません。気づいたときには節税特例が使えなくなっていた、というケースが実際に起きています。
恵那市の実家を名古屋・愛知から管理・処分するには、往復3〜4時間の移動が必要です。書類収集・業者選び・査定・契約・引き渡しと、複数回の現地訪問が必要になります。
これを仕事・育児で忙しい40〜50代がこなすのは、想像以上の負担です。「親が元気なうちに自分でやってくれていれば」という気持ちが、処分後に出てくることがあります。
本人が施設入居後に認知症が進んだ場合、不動産の売却には成年後見人の選任が必要になります(民法第3条の2・意思能力の喪失)。
成年後見人選任には家庭裁判所への申立てが必要で、選任まで通常2〜6ヶ月かかります。後見人への報酬は月2〜6万円程度で、後見は終身続くため総額では数百万円になることもあります。さらに後見人が専門職(弁護士・司法書士)になる場合もあり、家族の意向が反映されにくくなることもあります。
恵那市は名古屋から車で約1時間30分〜2時間。電車(JR中央本線)でも約1時間。首都圏や関西に子供が住んでいれば、さらに時間がかかります。
遠方在住の子供が恵那市の実家を処分しようとすると、1回の現地訪問に丸一日かかることがあります。書類取得・業者打合せ・現地確認・引き渡しなど、複数回の往復が必要です。新幹線・在来線・レンタカーを使えば、1回の往復だけで交通費数万円になることもあります。
「子供に迷惑をかけたくない」という気持ちが一番強い方ほど、逆説的ですが「今自分で売却してしまう」ことが最善の選択になります。
今売れば:売却代金が手元に残る、子供への管理の引き継ぎが不要、節税特例を使える可能性がある、成年後見の心配がない。
動けなくなってから子供に託すと:複雑な手続き・費用・時間が子供の負担になる、節税特例が期限切れになっている可能性が高い、成年後見が必要になるかもしれない。
対策① 今のうちに売却する(最もシンプルで確実)
本人が元気なうちに実家を売却してしまえば、動けなくなった後の問題はすべて解消されます。売却代金は老後資金・医療費・施設費用に充てることができます。
対策② 少なくとも子供に「物件の存在と場所」を伝えておく
売却しない場合でも、子供に「恵那市にこういう物件がある」「書類はここにある」「固定資産税の通知書は毎年〇月に届く」と伝えておくだけで、後の手続きが大幅に楽になります。これは最低限やっておくべきことです。
対策③ 任意後見契約を締結しておく
元気なうちに公証役場で「任意後見契約」を結んでおくことで、認知症になった後も信頼できる人(家族)が不動産売却などの手続きを代行できます(任意後見契約に関する法律)。費用は公正証書作成費用として数万円程度です。
恵那市の空き家、「まだ元気な今」こそご相談のタイミングです
大井町・長島町・武並町・明智町・上矢作町・串原など恵那市全域対応。「子供には知らせていない」「まだ決めていない」という段階でのご相談を歓迎します。売ると決めていなくても大丈夫です。現状の確認だけでも一緒にできます。提携司法書士・任意後見のご相談も可能です。
滝田 謙介(空家パートナー代表)
宅地建物取引士:岐阜県知事免許(1)第5381号
(公社)岐阜県宅地建物取引協会 東濃支部
30,000件以上の空き家問題を解決してきた「空き家買取のプロ」。他社で断られた困難物件の再生にも積極的に取り組んでいます。