営業時間/9:00〜18:00
御嵩町の「空家等及び所有者不明土地等対策計画」によると、令和4年度の現地調査で確認された空き家は257戸でした。
御嵩町の空き家実態調査
・空き家総数:257戸
・古さが目立つ空き家:88戸
・建物全体に破損がある空き家:28戸
・居住できない状態の空き家:28戸
・倒壊による周辺への影響が懸念される空き家:5戸
・草木が繁茂している空き家:97戸
ここで重要なのは、空き家の数だけではありません。
御嵩町の計画では、人口減少や高齢化、住宅の老朽化などにより、今後も空き家や所有者不明土地が増加するおそれがあるとされています。
現在住んでいる実家を「今はまだ使えるから」とそのまま残しておけば、10年後に同じ条件で売却できるとは限りません。
むしろ建物が古くなり、周辺にも空き家が増えれば「買いたい人が見つかるまで時間がかかる」「解体しないと売りにくい」「管理費用をかけないと売却のスタートラインにも立てない」という可能性が高くなります。
御嵩町の実家を相続した子供が必ずしもその家に住むとは限りません。
すでに町外などで仕事をしている。 住宅ローンを組んで自宅を購入している。 子供の学校や勤務先があり御嵩町へ戻る予定がない。
こうした状況で実家を相続すると、家は「住むための資産」ではなく「使わないけれど所有している不動産」になります。
子供に残した家が「負動産」になるケース
・自分は住まない
・貸す予定もない
・売ろうとしても買主がすぐ見つからない
・草刈りや庭木の管理が必要
・固定資産税が毎年かかる
・雨漏りや外壁などの修繕費が発生する
・近隣から管理について連絡が来る可能性がある
・売却するにも相続登記や書類の準備が必要
「家を一軒残してもらった」のではなく「管理しなければならない不動産を一軒引き継いだ」という状態になることがあります。
御嵩町でも、相続登記は義務化されています。
令和6年4月1日から、相続によって不動産を取得したことを知った相続人は、原則として3年以内に相続登記を申請する必要があります。
正当な理由なく義務に違反すると、10万円以下の過料の対象となる場合があります。
「まだ売るか決めていないから名義変更もしなくていい」という考え方は、現在では通用しません。
むしろ、「売るかどうか分からない」段階だからこそ、親が元気なうちに相続人となる子供と話し合い、売却するのか、住むのか、貸すのかを整理しておくことが重要です。
相続前の売却には、家族で話し合えるという大きなメリットがあります。
親御様が所有者であれば、「この家をどうするか」という意思を本人から直接聞くことができます。
ところが、亡くなった後は子供たちが「親ならどう考えていたのか」を推測しながら決めることになります。
兄弟が複数いる場合には「売りたい人」と「残したい人」が分かれることもあります。
その結果、誰も住まない家なのに話し合いがまとまらず何年も残ってしまうケースがあります。
本当に残したいのは「家」なのか「お金」なのか
親として「子供に財産を残したい」と考えるなら、必ずしも建物そのものを残す必要はありません。
家を売却して現金化しそのお金を子供に残すという方法もあります。
むしろ子供が住む予定のない家であれば、将来の管理費・固定資産税・修繕費・草刈り・家財処分などを考えると、現金として残すほうが子供にとって使いやすい財産になることもあります。
「売却したいけれど、せっかくの家を壊したくない」という場合、御嵩町には空き家バンク制度があります。
御嵩町空き家バンクは町内の空き家を有効活用し、定住促進や地域活性化につなげるための制度です。
登録物件については、移住・定住を希望する方へ情報提供され現在も複数の登録物件が公開されています。
ただし、空き家バンクに登録すれば必ず売れるというものではありません。
建物の状態、価格、立地、道路、土地の形状、上下水道、農地の有無などによって、買い手が見つかるまでの期間は大きく変わります。
「空き家バンクに登録するか」「一般の不動産売却をするか」「買取を利用するか」は、物件ごとに比較することが大切です。
御嵩町では、空き家バンクに登録された物件について家財道具等の処分費を支援する制度があります。
町の案内では、空き家バンク登録物件の家財道具等の処分費について一定の条件のもと費用の2分の1以内、最大10万円の補助制度が案内されています。
また空き家バンク登録物件については、町外からの転入者など一定の条件を満たす場合、改修費を支援する制度もあります。
ただし、こうした制度は「補助金があるから、とりあえず家を残す」という考え方ではなく、売却・賃貸・活用の可能性がある物件について、制度を使うことで有効活用できるかを考えるものです。
申請前に工事や処分を始めると対象外となる場合もあるため利用を考える場合は必ず事前に町へ確認してください。
相続した空き家を売る場合、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除」が利用できる場合があります。
現在の制度では、一定の要件を満たす相続空き家について令和9年12月31日までの譲渡が対象期間とされています。
すべての相続空き家が対象になるわけではありません。建築時期、相続後の利用状況、売却方法、耐震性、家屋を取り壊した場合の条件など、細かな要件があります。
また、老人ホーム等への入所によって亡くなる前に実家を離れていたケースでも一定の要件を満たせば対象となる場合があります。
「相続したら売ればいい」と考えるのではなく売却を考え始めた時点で税理士や税務署、不動産会社などに確認しておくことが重要です。
御嵩町の人口は、令和8年7月1日現在で17,150人です。
もちろん、人口が減ればすべての不動産が売れなくなるわけではありません。
しかし、買い手の母数が減少していく地域では「売りたい人」と「買いたい人」のバランスが変わっていきます。
さらに築年数が進み、修繕が必要になれば、買主が建物を評価するのではなく「土地として買うならいくらか」という見方になりやすくなります。
今ならそのまま使える住宅でも10年後には屋根・外壁・水回り・給湯器などの修繕が必要になっているかもしれません。
その状態で「子供が相続してから売ればいい」と考えると売却価格だけでなく、売却するまでの維持費まで子供が負担することになります。
「残す」ことと「負担を残す」ことは違います
子供に家を残すこと自体が悪いわけではありません。
子供が実際に住む予定があり、家族にとって必要な不動産であれば残す意味は十分にあります。
問題なのは、誰も住まないことが分かっているのに「いつか使うかもしれない」「売るのはもったいない」という理由だけで先送りしてしまうことです。
家そのものを残すのか、それとも売却して現金として残すのか。一度、子供世代と具体的に話してみることをおすすめします。
売却を決めていなくても、査定を受けることには意味があります。
「いくらくらいになるのか」
「今の状態で売れるのか」
「建物を壊したほうがいいのか」
「家財道具を全部処分しないといけないのか」
「相続してから売るのと、今売るのでは何が違うのか」
こうした疑問を、家族が元気なうちに確認できます。
特に御嵩町のように住宅地だけでなく山間部や農地なども含む地域では同じ町内でも不動産の条件によって売却のしやすさが大きく変わります。
そのため「御嵩町だからこのくらい」という単純な判断ではなく、道路、土地の形、建物の状態、境界、上下水道、農地や山林の有無などを実際に確認することが重要です。
空家パートナーでは、御嵩町の実家についてまだ売るとは決めていなくてもご相談いただけます!
滝田 謙介(空家パートナー代表)
宅地建物取引士:岐阜県知事免許(1)第5381号
(公社)岐阜県宅地建物取引協会 東濃支部
30,000件以上の空き家問題を解決してきた「空き家買取のプロ」。 他社で断られた困難物件の再生にも積極的に取り組んでいます。