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「兄と私と妹の三人で相続しましたが、全員70代になってしまいました。売ろうとは思っているんですが、なかなか三人の都合が合わなくて」
御嵩町でこういうご相談をいただくことがあります。相続した当時は「いつかやろう」と思っていたのが、気づいたら相続人全員が高齢になっていた。これは珍しいことではなく、むしろ典型的なパターンです。
時間が経つほど「処分しにくくなる」という構造的な問題を、データを使って整理します。
御嵩町の人口・高齢化データ
・2020年人口:約17,727人(国勢調査)
・65歳以上の割合(高齢化率):約35.5%
・2050年推計人口:約13,000人台(国立社会保障・人口問題研究所 令和5年推計)
・全国的に65歳以上の約5人に1人が認知症または予備軍(厚生労働省「認知症施策の総合的な推進について」2024年)
出典:岐阜県統計課「統計からみた御嵩町の現状」2026年3月更新、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」
御嵩町では3人に1人以上がすでに65歳以上です。空き家を相続した方が現在60〜70代であれば、10〜20年後にどういう状況になっているかは、このデータが示しています。
不動産の売却手続きには、現地確認・役所への書類取得(固定資産評価証明書・戸籍謄本など)・金融機関での手続きなど、複数の場所への移動が必要です。相続人の一人でも体力的に動けなくなれば、その方の分の手続きを代行するための委任状が必要になり、手続きが複雑になります。
厚生労働省の推計では、2025年に認知症の方は約675万人(65歳以上の約19%)。つまり65歳以上の5人に1人近くが認知症です。相続人が3人いれば、そのうちの1人が認知症になる確率は決して低くありません。
共有名義不動産の売却には全員の有効な同意が必要です(民法第251条)。一人でも意思能力を失うと、成年後見人の選任が必要になり、売却に家庭裁判所の許可も必要になります。手続きが止まる可能性が高くなります。
共有者の一人が亡くなると、その持分がさらにその配偶者・子供に相続されます。3人だった共有者が5人・7人・10人と増えていきます。全員と連絡を取り、全員の同意を得るハードルは人数が増えるほど上がります。
国土交通省の調査では、所有者不明土地の約66.7%が「相続登記の未了」が原因です(「平成30年版土地白書」)。全国の所有者不明土地は約410万ha、九州の面積を超えています(令和4年度国土交通省調べ)。
高齢になるほど変化への抵抗感が増し、現状維持を選びやすくなることが心理学的に知られています。「いつかやろう」という先送りが習慣化し、誰も言い出せないまま10年・20年が経過するパターンは非常に多いです。
相続人全員が元気で、連絡が取れて、同意できる状態のうちに動くことが最善です。一人でも条件が変わるたびに、手続きは複雑になります。
今のうちに完了させておくべきこと
① 相続登記の完了:2027年3月31日が過去の相続分の期限。登記が完了していないと売却手続き自体を始められない。
② 全員の意思確認:「売る・売らない」の方向性を全員で確認する。決まっていなくても「今後どうするか話し合う」だけで前進する。
③ 印鑑証明・住民票の取得:手続きが始まった時にすぐ動けるよう、各自の状況を把握しておく。
④ できれば今のうちに売却してしまう:全員元気なうちが最もスムーズ。維持費・節税特例の期限・建物劣化の問題もすべて解消できる。
御嵩町の空き家、相続人全員が動けるうちにご相談ください
御嵩・伏見・上之郷など御嵩町全域対応。複数の相続人がいる場合の進め方も含めてご提案します。提携司法書士のご紹介も可能です。
滝田 謙介(空家パートナー代表)
宅地建物取引士:岐阜県知事免許(1)第5381号
(公社)岐阜県宅地建物取引協会 東濃支部
30,000件以上の空き家問題を解決してきた「空き家買取のプロ」。他社で断られた困難物件の再生にも積極的に取り組んでいます。