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「老人ホームへ入ることになったけれど、この家はどうしたらいいだろう。」
土岐市でも、このようなご相談は年々増えています。
以前は親と同居する家庭も多くありましたが、現在は子ども世代が名古屋市や多治見市、可児市などへ生活拠点を移しているケースも多く、実家だけが空き家になることは珍しくありません。
そして老人ホームへ入所したその日から、その家には誰も住まなくなります。
しかし、多くの方が「まだ元気だから」「いつか帰ってくるかもしれない」と考え、何も決めないまま数年間そのままにしています。
実は、この"何もしない期間"が一番お金がかかる期間なのです。
まず考えたいのが介護費用です。
施設によって費用は大きく異なりますが、おおよその目安は次のようになります。
老人ホーム費用の目安
・特別養護老人ホーム 月8~15万円程度
・介護老人保健施設 月9~16万円程度
・サービス付き高齢者向け住宅 月15~25万円程度
・介護付き有料老人ホーム 月20~35万円程度
これに医療費・おむつ代・日用品代・理美容代などが加わります。
年金だけで十分まかなえる方もいますが、不足するご家庭も少なくありません。
「空き家だからお金はかからない」 そう思われる方もいますが、実際は逆です。
所有しているだけで発生する費用
・固定資産税
・都市計画税
・火災保険
・草刈りや庭木剪定
・換気や見回り
・雨漏り修理
・シロアリ対策
・給排水設備の維持
年間10万円〜30万円程度かかるケースも珍しくありません。
5年間では50万円〜150万円。 10年間なら100万円以上の維持費になることもあります。
例えば実家を1,000万円で売却できたとします。
月20万円の施設なら約4年間。 月15万円なら約5年半。 月10万円なら約8年間以上の介護費用をまかなえる計算になります。
もちろん売却価格や施設費用によって異なりますが、「家を持ち続ける」より「介護資金へ変える」という考え方も非常に重要です。
実際、ご家族からは「親のお金で親の介護ができたので安心でした」という声も多く聞かれます。
ここで意外と知られていないのが「契約能力」の問題です。
不動産売買契約は、本人が契約内容を理解して意思表示できることが前提になります。
認知症が進行し、司法書士や不動産会社が本人確認・意思確認ができないと判断した場合は、そのまま売却できない可能性があります。
その場合は成年後見制度の利用が必要になるケースもあり、時間も費用もかかります。
老人ホームへ入所したあと、実家の選択肢は大きく分けて「売却する」「賃貸に出す」「そのまま所有する」の3つです。
どれにもメリットがありますが、ご家族の状況によって向き不向きがあります。
売却が向いているケース
・老人ホームへ長期間入所する予定
・子どもが実家へ戻る予定がない
・介護費用を確保したい
・相続でもめる可能性を減らしたい
・遠方に住んでいて管理できない
賃貸が向いているケース
・建物の状態が比較的新しい
・駅や学校が近い立地
・リフォーム費用を負担できる
・将来的に戻る可能性がある
そのまま所有する場合に考えておきたいこと
・毎年固定資産税がかかる
・空き家は傷みが早い
・草刈りや庭木の管理が必要
・近隣から苦情が来る可能性がある
・相続時には子どもが判断することになる
特に築30年以上の住宅では、人が住まなくなることで湿気がこもり、雨漏りやシロアリ被害が急速に進むケースがあります。
土岐市では人口減少と高齢化が進んでいます。
総務省国勢調査や住宅・土地統計調査でも、全国的に空き家は増加傾向にあり、地方都市では「売りたい人が増え、買う人が減る」という状況が今後さらに進むと予測されています。
つまり、「数年後に売ればいい」と考えていても、その頃には同じような空き家が増え、現在より売却が難しくなる可能性があります。
今後考えられるリスク
・空き家がさらに増える
・人口減少で購入希望者が減る
・建物が古くなり資産価値が下がる
・修繕費だけが増えていく
「まだ大丈夫」と思っている間にも、不動産市場は少しずつ変化しています。
「この家は子どもへ残してあげたい。」 そう考える親御さんは少なくありません。
しかし、子ども世代はすでに持ち家を取得していることも多く、実家へ戻る予定がないケースも珍しくありません。
その結果、相続した実家は「財産」ではなく、「管理しなければならない空き家」になってしまうことがあります。
固定資産税を払い、草刈りをし、片付けをし、遠方から何度も通う。 仕事や子育てをしながらこれを続けるのは、想像以上の負担になります。
だからこそ最近では、「家という形ではなく、お金という形で子どもへ残したい」という考え方を選ばれる方も増えています。
老人ホームへ入所したあと、「まだ考えなくてもいい」と先送りにしてしまう方は少なくありません。
しかし、その間にも介護費用はかかり、建物は少しずつ老朽化し、不動産の価値も変化していきます。
実家をどうするかに正解はありません。
ただ、ご本人が元気で意思表示ができるうちであれば、「売る」「貸す」「残す」を自分自身で選ぶことができます。
ご家族だけで悩まず、一度現状の価値を知り、介護費用とのバランスを考えながら判断することが、将来後悔しない第一歩になります。
土岐市で老人ホーム入所後の実家についてお悩みの方へ
「施設へ入ったばかりでどうすればいいかわからない」「売却と買取の違いを知りたい」「介護費用を考えながら判断したい」という方もお気軽にご相談ください。土岐市全域で無料査定・ご相談を承っています。
滝田 謙介(空家パートナー代表)
宅地建物取引士:岐阜県知事免許(1)第5381号
(公社)岐阜県宅地建物取引協会 東濃支部
30,000件以上の空き家問題を解決してきた「空き家買取のプロ」。 他社で断られた困難物件の再生にも積極的に取り組んでいます。